ちょっと図書館が遠いので

自分用勉強ノート

CMBSってなんだ?

CMBS:Commercial Mortgage-Backed Securities(商業用不動産担保証券

CMBSを説明する前に、まず、「証券化」という概念について整理する必要がある。

たとえば不動産は、市場性があまりない。どういうことか。たとえば、あなたが土地付きの家を所有していて、そこに住んでいるとする。その場合、その土地付きの家には市場性がほぼない。だって、住んでるのだから。将来、家が古くなったり子どもが大きくなって出ていったりしたら、売り払おうという気にもなるかもしれない。でも、当面は売らないだろう。

ローン債権も同様に市場性があまりない。あなたがその土地付きの家をローンで購入したとする。そのローン債権を持っているのは銀行だ。銀行はローン債権を誰かに売り渡したりはしないのが普通だ。あなたが先月までその銀行にローンを返済していたのに、次の月からはどこかの知らないおっさんに返済しなければならない、なんてことは普通ありえない。あなたがそのローンを30年返済し続けるのなら、そのローン債権は30年間、同じ銀行が所有し続けることになる。

でも、これはもったいないという考え方もある。ローン債権や不動産といった資産は、将来一定の収入を生み出すことができる。せっかく手元に資産があるのに、ある意味、寝かせてしまっているわけなのだ。こいつをうまいこと活用できないか? 

疑問:一定の収入を生み出せるって、具体的にどういうことだろう? ローン債権の場合なら利子のことかな。でも、不動産は? 不動産を誰かに貸すなら家賃収入が得られるけど、自分で住んでる場合はどうなるんだろう。「持ち家だから家賃を払わないで済む」というのを、一種の収入と見なしてるのかな。

そこで証券化だ。ローン債権や不動産を裏付けとして有価証券を発行するわけだ。

アメリカなんかでは、住宅ローン債権を公社が大量に購入してプールにして証券化して、投資家たちに販売した。例のサブプライム・ローン問題は、住宅ローンを裏付けにした証券化商品の価格が暴落したことによるものだ。

コメント:さも分かった風に「例のサブプライム・ローン問題」なんて言ってるけど、金融の素人のわたしにはなんのことやらさっぱりわからない。映画でも観て勉強するかのう。

さて、証券化をするにはどうすればいいのか?

まずは、原資産の選定だ。つまり、証券の裏付けになるものを選ばなくてはならない。住宅ローンでもいいし、不動産でもいい。

次に、そうした原資産に対する債権を持っている保有者が、別の法人に債権を譲渡する。別の法人ってなに? 一種のペーパーカンパニーです。債券保有者が破綻したりしたら証券化に悪影響が出るので、そのリスクを回避するための方法です。

そして、そのペーパーカンパニーが証券を発行して投資家に売る。当然、投資家たちはその証券から元利(=元金+利子)を得られないと証券なんか買うわけない。元利は原資産や債務者からのキャッシュフローでまかなう。

これが大まかな証券化のプロセスだ。しかし、これで具体的に誰がどういうメリットを享受しているのだろう?

まず、投資家からすれば、投資対象が増えるのはうれしいことだ。わたしにはわからないけど、頭の良い投資家たちは投資対象が増えれば、もっと儲けやすいポートフォリオを組むことができるのだろう。

また、債権を持っている企業からしたら、債権をペーパーカンパニーに買い取ってもらえるので、貸し倒れみたいなリスクを回避することができる。実際には、そうしたリスクを代わりに負ってくれるのは投資家たちだ。

コメント:前に勉強したことがあるけど、誰かに返したお金は基本的にちゃんと返ってくるものだけど、投資したお金は返ってこなくても仕方がない、という違いがあるそうだ。100万円貸したのに相手が返してくれなかったら裁判を起こせばいい。でも、100万円投資したのにその会社が潰れちゃった場合、それは投資した人の自己責任だということになる。こう考えると、証券化というのは、「お金の貸し借り」を、「投資」に作り替えてしまうものだということなのかな。世の中にはリスクを取って大儲けしたい人たちがそれなりにいるものなのだから、うまいことやれば、「お金の貸し借り」に関わるリスクをぜんぶ投資家たちに押しつけることができる。でも、投資家たちはいろんなところに投資してるので、もともとの債権がまともなものかどうか(つまり回収の見込みがあるものかどうか)なんてきちんとチェックできない。そうなると、チェックがないのを良いことに野放図にローンを組む人が出てくるかもしれない。すると、投資家たちは自分たちが思っている以上に大きなリスクを背負ってしまうことになりかねない。たぶん、サブプライムローン問題って、そういう風にリスクのチェックがうまく働かなくなって生じたものなんじゃないかな。知らんけど。

で、ここでようやくCMBSだ。

CMBS(商業不動産担保証券)の場合、原資産はホテル、オフィスビル、ショッピングセンターなどの商業用不動産となる。この場合、債権に当たるのは賃料だ。こうした商業用不動産の賃料を裏付けにして証券化したのがCMBSなのだ。

参考文献

japan.pimco.com